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ハイレベルなくすりの製造拠点を富山から

ハイレベルなくすりの製造拠点を富山からの画像

国内初!粉末吸入剤専用の工場

 東亜薬品株式会社は、他の製薬会社との業務提携や受託製造などの経験から培われたノウハウと、高度な研究から新製品を続々と生み出す開発力の強みを活かし、幅広い領域で実績を重ねています。

 原薬の粒を細かくする原料粉砕機と、原料を均一に混ぜ合わせる混合機は、薬の量産と開発の両方に欠かせない設備です。特に、口や鼻から息を吸うように服用することで体内へ薬物を送り届ける吸入剤(DPI)において、高度な粉砕技術は重要な役割を果たします。東亜薬品では、2007年に国内初となる吸入剤の専用工場が完成しました。環境や安全に配慮し、先端技術や設備を導入した工場では、日々、付加価値の高い医薬品づくりが行われています。

 吸入剤(DPI)は薬物を効率よく体内に届けられる剤形でありながら、薬剤と吸入容器(デバイス)の相性が薬の効果に直結する繊細な製剤です。そのため、開発の難易度やそれに伴うリスクが高く、取り組む製薬企業は多くありません。東亜薬品では、そんな難しい開発に果敢に挑む積極性に惹かれ入社したスタッフがチームを組み、今日も新分野の開拓に挑んでいます。

患者様に優しい投薬を目指して

 入社5年目の小谷勇介さんは、固形・粉末タイプの薬の研究開発を担う部署で、吸入剤のジェネリック医薬品開発に携わっています。京都出身で大学院を卒業した小谷さんが同社に入社したきっかけは、「富山には薬業関連の就職先が沢山あり、中でも吸入剤に力を注いでいたから」と話します。

 吸入剤(DPI)は特殊な技術で薬を微粉末化したもので、吸入して肺や鼻腔粘膜から吸収させることで、肺はもちろん全身に有効成分を送り届けることができます。また、吸入するだけなので痛みはなく、患者さんにとって優しい剤形です。さらに肺からの吸収時には有効成分が分解されにくいため、経口投薬の際に胃で分解されてしまう薬など、吸収率の低い薬への応用と活用が期待されています。

吸入剤(DPI)製剤の発展でより良い未来を作る

 小谷さんは仕事のやりがいについて「試作や分析評価をする中で、予測を裏切るデータに出会うと、乗り越えるのが大変」と苦労を挙げたうえで、「チームで苦労や喜びを共有できること」と話します。今後の目標について「今まで世に出た薬の中で自分が関わったものは、入社してから途中参加したものばかりなので、プロジェクトの最初から取り組んでいる現開発品をぜひ世の中に送り出したいです。そしていずれは一から吸入デバイス開発にも携わりたいです」と語る小谷さんは、吸入剤(DPI)製造の発展により多くの人が笑顔になる未来に、大きな期待を寄せています。

 

取材記事の内容は、2024年1月時点のものです。最新の情報は、各企業ページ等からご確認ください。

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