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見たことがある製品も、自らのアイデアで新しい形に

見たことがある製品も、自らのアイデアで新しい形にの画像

「見たことがある、使ったことがある」を自ら作る側に

 武内プレス工業株式会社は、1873年創業の老舗容器メーカーです。化粧品や医薬品、日用品などの大手メーカーの製品として多く採用されている同社の容器は、日々当たり前のように目にすることができます。特にアルミチューブとアルミエアゾール缶(スプレー缶)は、富山から業界トップのシェアを誇っています。

 そんな中、製品開発部に所属する山上夏歩さんはアルミチューブのキャップやネジ部分の開発に携わり、美大で磨いたセンスと器用さを発揮しています。「ものづくりが好きで手を動かして何かを作ることができるところに惹かれました」と話し、現在、新しいアルミチューブ用キャップの製品化に向け、日々奮闘しています。製品開発部のある本社は工場と同敷地内にあるため工場で働く方の意見をすぐに聞くことができるのが良いと話し、自ら考案した形を自社で量産することができるか、お客様にご満足いただけるか、違和感を持たれないかを常に考えています。

これまでにはない機能性で企業成長も見据えた開発を

 山上さんは、開発している新しいキャップが「脱プラスチック」の観点からも注目されているアルミチューブに装着できれば「新たなマーケットを開拓できる」と確信しており、「プロジェクト進行中の新商品はお客様の同意を得て、製品化まであと一歩の段階まで来ている」と話します。自社のラインでの大量生産も踏まえ、デザインや機能の落としどころを探すことも製品開発部の役割のひとつ。学生時代は比較的自由な作品づくりを行ってきた山上さんですが、このような制約もまた「パズル感覚で面白い」と言います。

仕事もプライベートも、効率よく、自分らしく

 課題に対し気軽に相談し、解決方法を見出せる環境やスピード感は、企画・開発・製造までを自社で完結できる企業ならではの強み。山上さんは社内旅行など全体交流の機会もほどよくあるため、社員全体のディスカッションやコミュニケーションも良好ながら、個人単位では「仕事は仕事」と割り切る職人肌の人も多く、プライベートまでは干渉しない空気感もまた、居心地の良さに繋がっていると山上さんは言います。「実際に手に取り、何気なく使う中で、こっちの方が使いやすいと思ってもらえるような製品を開発し続けられたら」と、穏やかな表情で語りました。

 

取材記事の内容は、2024年2月時点のものです。最新の情報は、各企業ページ等からご確認ください。