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髪の毛の10分の1の高精度で、空にも届くものづくりを

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航空機品質の高精度な部品を「空」へ

株式会社石金精機は、測定器具の製作から培い、磨かれた「技術力」と「対応力」、「開発力」を強みとする精密部品加工企業です。様々な材料の手配から切削・研削加工、熱処理・表面処理、精密検査までを一貫して行い、工作機械部品や自動車試作部品、医療・航空機関連部品、設計制作事業など幅広い分野において、多品種小ロット生産に対応しています。

航空機事業は、これまで培った高い加工技術が実を結んだ同社の柱となる事業の1つです。2008年から本格的に着手し、はじめは飛行機に搭載される制御システムに関する小さな機械部品を受注しました。事業を継続する過程で航空宇宙・防衛産業に特化した品質マネジメントシステムJISQ9100を取得し、その高い技術力が認められ、航空機の主翼部品、胴体部品の製造に携わっています。

現在は航空機部品だけではなく、地上から1万メートルを超える成層圏に達する機械に使われる部品の製造を任され、事業領域は宇宙まで広がっており、ものづくりへのワクワク感を全社で感じながら事業に取り組んでいます。

若き技術者が成長中

航空機事業に憧れて入社した社員も少なくありません。入社3年目の奥村隼多さんもその一人で、NC旋盤と言う機械を扱い、現在は金属の塊から図面通りの形状まで部品を美しく削り上げる操作を担当しています。加工機を動かすためにはプログラムを読み込ませる必要があり、高度なプログラムはまだ練習中で、実践経験を積んでいる段階とのこと。上司や先輩に教わりながらも、一人黙々と遂行する作業が「性に合っている」と話す奥村さんは、機械が正常に動き、製品が図面通りに仕上がる瞬間やその正確さに、感動とやりがいを感じています。

 

富山から広がる職人技

高度かつ多様な技術が求められる航空機部品の製造には、熟練の職人技が不可欠です。髪の毛の10分の1に当たる10ミクロン単位での精度を仕上がりに求められることもあり、技術の継承には時間がかかると言われています。そのような中で、2016年4月には、航空機部品の共同受注に向け、県内の機械加工や表面処理などを行う企業が一体となった新組織を発足し、同社もその一員として名前を連ねています。富山県内企業一丸となった高レベルな技術の集積と未来への継承は、今後利用が増加すると言われる航空機産業において、間違いなく「ものづくり県、とやま」の飛躍の1歩となることでしょう。

 

取材記事の内容は、2024年2月時点のものです。最新の情報は、各企業ページ等からご確認ください。

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