インターンシップ伴走型支援事業に参加して〜荒木商会/ROKASTYLE・塚田さん〜
富山県では、2025年7月から2026年2月までの間に、インターンシップの企画から実施までを一貫してトータルサポートする「インターンシップ伴走型支援事業」を全4回開催しました。参加した県内企業のひとつが、「荒木商会/ROKA STYLE」です。
今回は、同社の採用担当・塚田真由さんに伴走型事業に参加したきっかけや、アドバイスによって変化したインターンシップの内容、参加した学生の方々の声、インターンシップの重要性など、さまざまなお話をうかがいました。
ーまず、貴社の事業内容を教えていただけますか。
荒木商会では、リサイクル事業と片付け事業をメインに展開しています。リサイクル事業では、法人様の産業廃棄物の収集運搬をしています。今、一番力を入れている片付け事業では、遺品・生前・空き家整理やゴミ屋敷の清掃など片付け全般を行っており、年間約500件のご依頼があります。その事業では、お客様にとって不要なものを集め、荒木商会でリサイクルやリユースしていました。ただ、分別の時間を確保するのが困難な状態になってきたため、2024年にリユースに特化した会社として「ROKA STYLE」を設立しました。同社では、荒木商会に集まったリユース商品やお客様から引取・買取させていただいた物を店舗やネットで販売しています。
ー今回のインターンシップ伴走型支援事業に参加された理由をお聞かせください。
弊社では、2024年から1dayのインターンシップに取り組んでいます。これまでは午前中には見学をメインに、午後からは就労体験とプレゼンをメインに開催していましたが、次のアクションにつながらないことが最大の課題だったため、突破口を見つけるために参加しました。また、採用担当になって1年半弱と右も左も分からない状態でしたので、情報を得るためでもありました。
ーセミナー受講後、どのようなインターンシップを実施されましたか?
私が変化を加えたのは、午前と午後の2回、若手社員2名と学生の交流を図る場を設けたことです。入社1年目のスタッフに「私がこの会社を選んだ理由」について発表してもらう時間を設けました。
また、午前中のアイスブレイクでは、環境に関するクイズを出題し、正解数が多かった人から好きなお弁当を選べるようにしました。そのクイズでは、社長の体重も出題するなど、場を和ませるような工夫も取り入れました。
構成面では、より「学生参加型」を強めるために、ワークを3つ取り入れました。弊社スタッフに聞きたいことを、私が学生に聞くというワークがひとつ。また、午前中に会社説明をし、ベテラン社員による工場の説明を行った後、印象に残ったことを発表してもらいました。午後は就業体験を行い、1番最後に今日のまとめとして「弊社の一員だったら、新たに挑戦したいこと」を発表してもらいました。
ー学生参加型のワークにするために、強く意識されたことは?
午前中のワークは、弊社を知ってもらうための簡単な内容(30分程度)にし、午後のワークは学生にしっかり考えてもらうワーク(発表を合わせると2時間程度)にしました。とにかく考える、とにかく参加するという時間を作ることで、学生が前のめりにならざるを得ないようにしましたね。
ー午後の就業体験について、詳しく教えてください。
ROKA STYLEでは、リユースショップを運営していることもあって、学生が本気で就業体験に取り組んでくれます。具体的には「レイアウト」と「企画」の2チームに分け、それぞれに挑戦したいことを考えて発表し、良い企画を実際の店舗のアクションとして採用するという内容でした。例えば、レイアウトチームの場合は、レイアウトやテーマを決めてプレゼンし、社長からのフィードバックを生かしたうえで実際に形にし、SNS で発信しました。一方、企画チームの場合は、イベントのターゲットや予算、開催する意味などを考えて発表し、社長からのフィードバックを生かしたうえで実際にイベントを開催。学生をイベントにも誘い、SNSでも発信しました。

※就業体験前のチーム分けに臨む参加者たち
ー社長や社員の方々も参加されていますが、社内でどのようにして協力体制を築いていかれましたか?
これまでは社長と2人で取り組んでいましたが、今回の事業に参加したことで「社員を巻き込もう!」と決意することができました。以来、日頃から社長、ベテラン社員、若手社員の方々に協力を仰いでいたら、入社1年目の社員が主体的に参加を申し出てくれたりと、全社的に前向きに動いてもらえました。結果的に、自分が楽になる方法を考えた方が、学生の満足度が上がり、社員も巻き込めることに気づかされましたね。
※社長から説明を受ける参加者たち
ー今回の事業を通して、どんなことを得られましたか?
特に大きかったのは、弊社の価値の表現方法についてですね。弊社は、社内でも物が循環する、循環型社会や社会課題の解決に重きを置いた事業形態です。また、弊社が運営している福祉事業所でも、リサイクル事業に取り組んでいます。今回の伴走型事業では、平原講師のアドバイスによって「グループ全体の事業循環の良さをもっと伝えてもいい」ということに気づくことができました。同時に「全てを1dayで言おうとしなくていい。伝えたいことを絞ってもいい」ということも教わりました。
ーそのアドバイスを受けて、実際に変えられたところは?
これまでは1dayの最後に「社長との1on1」を入れていましたが、かなりタイトなスケジュールになっていたので、1dayではなく、次のステップに移すことにしました。1dayのアンケートで弊社に興味を持ってくれた学生に対して、「社長と話す会」の案内をお送りし、申し込まれた学生を招いて実施する方法に変えたんです。実際に昨年末には、社長と複数の学生がランチを食べながら、ざっくばらんに会話を楽しむ場を設けることができました。すると、学生たちから「早期選考ありますか? 」「会社説明会はいつですか?」 という言葉を初めていただけたんです。
この事業のおかげで、自分だけでプログラムを考えていた時には成し得なかったことができ、結果として、当社の採用選考に参加してくれる学生と出会うことができました。
ーインターンシップには何が大事だと思いますか?
インターンシップは、継続するもの。何度もアプローチし、何度も語りかけ、学生の気持ちにしっかりと応えることが大切だと思っています。また、会社の思いや社員の思いを伝えられる人を配置することも重要。弊社の場合は、社長、ベテラン社員、若手社員によって、会社を多角的に伝えることができました。学生によって心に響く部分は違うので、伝える側がバラエティに富んでいる方がいいのではと思っています。
ー企業へのアドバイスをぜひ。
「楽しんでやる!」が成功の秘訣のような気がします。とにかく私たちが楽しく居れば、学生に安心感を与え、リラックスして取り組んでもらえます。全体の雰囲気もものすごく良くなります。 アンケートでも「想像以上に笑顔が多かった」「社員が明るい」「優しい」「温かい」「ありがとうの気持ちを忘れない会社」などの声をいただくことができました。
ー学生に向けたメッセージを。
参加することで、体感できることがきっとあります。興味のある会社のインターンシップに行ってみてはいかがでしょうか。その時に見てほしいのは、会社の雰囲気。自分に合う、合わないを感じ取ることができるはずです。その感覚を掴むことが、この先の自分のためになると思います。
